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2004.06.04

PDAは死んだ

ITmediaモバイル:「PDAは死んだ」と英Symbian CEO

やっぱりこの見出しは違和感がある。

PDAはPersonal Digital Assistantの略だ。まだこの定義を完全に満たすデバイスは出現していないと思っている。一番近かったのがAppleのNewtonだと思っている。NewtonはPDAの概念を正しく体現しようとしていた。
#残念ながらNewtonは使ったことがないので推測

ところが、どこが言い出したのか知らないが、いつの頃からか電子手帳に毛の生えたようなものをPDAと呼ぶようになってしまった。この手のデバイスは、全然Assistantとはならない。単なるデータベース&データブラウザである。Assistantと呼べるような機能はリマインダーぐらいだろう。

「PDA」という新しい属性をつけられた携帯情報端末はこれまでと違った印象を与え、多少は売り上げに貢献したのかもしれない。しかし、PDAという名前だけが一人歩きし、中身が熟成されてこなかった。ネットワーク端末、マルチメディア端末としての機能は充実したが、肝心のPDAとしての機能の充実が図られてこなかった。うわべの機能充実ではなく、PIMをもっと進化&深化させるべきだと思う。

「PDAは死んだ」という言い方に違和感を感じるのはこうしたことが理由だ。PDAは概念であって、製品ジャンルではないのである。現在の携帯情報端末はスマートフォンに統合されるなどしてなくなっていくかもしれないが、スマートフォンがPDAを体現していく方向に進化していけばいいなと思う。

SONYのCLIE TH55は安易な機能追加ではなく、久しぶりにPIMの充実を図った端末だ。「とうとうこの流れが来たか!」と思ったものだったが、SONYもアメリカではPDAから撤退するという。期待していただけに残念だ。

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