Mobile PRESS休刊
『Mobile PRESS』が休刊するらしい。
私が初めて買ったMobile系の雑誌はSOFTBANKの『MOBILE PC』という雑誌だった。初めは「モバイル」ではなく「モービル」と読むことになっていた。まだノートPCを持ち歩くことすら珍しい時代。Zaurusに携帯電話つないでNiftyServeやるなんて、物好き以外にいなかった時代だった。
『MOBILE PC』はもともとマニア向けの雑誌としてスタートしたと思うのだが、その後リニューアルされ、『MobilePC』として生まれ変わった。より一般向けの記事が増えたのだが、一般人がこんなものに興味を持つ時代ではなく、マニアにもそっぽを向かれたのか、暫くして休刊となった。
当時、他の出版者からもモバイル系の雑誌は出ていたが、いずれも軽めの内容で興味を持てなかった。
そして『Mobile PRESS』が発刊された。
この雑誌はもともと月刊誌だったのだが、その後季刊誌にかわった。季刊誌になって吹っ切れたのか、非常に内容が濃くなった。他社のモバイル系雑誌は一種のカタログ雑誌だったのに対し、Mobile PRESSの記事は一般人を無視してでも独自の道を突っ走るような勢いがあった。毎号毎号、知らないことがいっぱい出てくる。非常に面白かった。
こうしたモバイル系雑誌の動向についてはこちらを読んだ方がいいかもしれない。
めるへんてんと:最近のモバイル系雑誌の動向
『Mobile PRESS』はずっと買い続けていてバックナンバーも手もとに残ってるのだが、ここ1年ぐらいは買ってなかった。本屋でぱらぱら見てはみるのだが、購入にはいたらない。面白そうに見えないのだ。CLIE以降、マルチメディア系の機能が重視されるようになったのが個人的には気に入らない。最初はそれが他社との差別化する上で重要なポイントだったのだが、どのメーカーもここに力を入れはじめたため、どれを買っても大きくは違わないようになってしまった。単なる音楽やビデオプレーヤーに使いこなしのノウハウは少ない。結局、画面がきれいで、メモリが多くて、CPUが速いものが勝ちという勝負になってしまった。そう、PDA自体が面白くなくなったのだ。
携帯はその特長を生かし、携帯だからこそ必要な機能、あると面白い機能を次々開発していった。一方、PDAはスペックこそ向上してはいるものの、機能開発はPalmのHotSyncぐらいでとまっているような気がする。よく、携帯の進化がPDAを駆逐しているというようなことがいわれる。それは多分そうなのだろう。ライトPDAユーザーとなるかもしれなかった層を携帯は食ってるのだと思う。携帯でも良い人は増え、PDAでなければならない人は減っているのだ。
Mobile PRESSの休刊で、小型情報端末の時代が終わったことを痛感した。休刊前最終号となる2005年冬号には、季刊誌になってからの記事が(すべてではならしいが)入っているらしい。PDA好きは永久保存版として一冊買っておくことをおすすめする。
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