ソニーのPDA撤退から考えるPDAの役割
BCNランキング :: 市場分析 :: ソニー、PDA撤退を決定、名機CLIEが辿った「本家なき個性派」の悲劇
うーむ、やっぱりそうなったか。
米国市場から撤退したときに、おそらく日本でも新機種発売はないだろうなと思った。でも昨日、こんな噂があるのを見たばかりなので、ちょっと期待してしまった。期待した分、ちょっと失望が大きい。
上の記事では、ソニーはアンチ主流を目指していたように書かれているが、そうではないと思う。CLIEに搭載されたハイレゾや外部メモリカードの採用は、本家にも取り入れられた。Palm本体から見てもソニーは傍流ではなく主流に近いところにあったように思う。ただ、ソニーが目指すAV機能の充実がPDA市場には受け入れられなかった。ソニーがやりたいことのプラットフォームとして、PDAが適していなかったのだと思う。おそらくソニーはPDAでやりたかったことをPSPで実現していくのだろう。PDAより良いプラットフォームができたので、ソニーがPDAから撤退するのは自然な流れだ。
デジカメは専用機がある。ムービープレーヤーや音楽プレーヤーも専用機がある。一方、PDAは複合機だといえる。同じことをするなら、専用機の方がPDAでやるより簡単で便利だ。PDAでも苦労すればできるようになるが、同じように苦労するならユーザーは携帯電話でそれらをやろうとするだろう。あるいはもっと簡単になるまでそんなことはしない。
おそらく、PDAは何でもできる複合機としての役割を携帯電話にほぼ譲ってしまった。そうなると、PDAに求められる役割はPIM専用機になるんじゃなかろうか。携帯でデジカメを使い始め、その機能に不満を持つ人がデジカメ専用機を買う。同じように、携帯でPIMを使い始め、その機能に不満を持った人がPDAを買うという流れもあると思うのだ。ソニーもそれに気づいてTJ25やTH55を出したのだと思うし、それらは市場に受け入れられた。
ソニーのおかげでPDAのスペックや機能は飛躍的に向上したと思うが、反面、PCと同じようにスペック競争に突入してそろそろ頭打ちな感じ。これからはハードではなくソフトの機能や使い勝手を向上していって欲しいところ。何度か書いているが、PIM機能の向上が望まれる。
ただ、それを期待できる企業が今ないわけで・・Apple参入してくれないかな。
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コメント
複合機だからこそ機能連携に重点を置くべきという考えは?
たとえば podcast みたいなものは
PC + iPod ではなく CLIE 1 台でできるとか。
それぞれの機能では当然専用機にはかなわないけど
カメラ付き携帯電話もカメラの手軽さもそうだけど
メールですぐに送れるという連携がうけたような気がする。
個人的には最近の PDA は
携帯電話に役割を譲ったと言うより
抜かされて追いかけていたように見えました。
(それをゆずったというのかな?)
投稿: nori | 2005.02.22 17:44
機能連係に重点を置くというのは正解の一つだと思います。AppleのiLifeなんかはその方向ですよね。こういう連携をもっとPIMでできればいいのになあと思います。
ただ、私は機能連係の差ではなく、インターネットと簡単につながるかどうかが大きな差になったんじゃないかと思っています。最近のサービスはネットにつながるのが前提になってることが多いですし。
投稿: AKIIRA | 2005.02.22 18:25